その出来事を知ったのは、起きてから 4か月後のことである。

2学期が始まって1週間。
友人から、何気ない口調で声をかけられた。
「ねえ、○○(息子)ちゃん、先生に叩かれたって聞いたんだけど…大丈夫だった?」

その瞬間、胸がざわついた。耳を疑った。そんな話は初めて聞く。もし本当なら、なぜ息子は黙っていたのか。頭の中が一気に真っ白になった。

友人は、噂だから本当のことかわからないとも言っていた。

その日、帰宅した息子に恐る恐る尋ねた。
「夏休み前に先生と何かあった?」

息子はしばらく黙り込み、小さな声でつぶやいた。
「……ビンタされた」

その言葉を聞いた瞬間、心臓が大きく揺れた。
驚き、怒り、そして なぜ気づいてやれなかったのかという深い後悔が一度に押し寄せた。
息子は「心配をかけたくなかった」と言った。その健気さに胸が痛んだ。私は息子の思いやりを嬉しく思う一方で、守れなかった自分を責める気持ちに包まれた。

「これは体罰なのか」「学校にどう伝えるべきか」。
考えれば考えるほど、何をすべきか分からなくなった。怒りのまま学校に乗り込めば、息子の立場を悪くしてしまうのではないか――そんな恐れが頭を支配し、体が動かなかった。

インターネットで「学校 体罰 親 対応」などを検索したが、リアルな体験談はほとんど見つからなかった。制度や手続きの説明はあっても、親がどのように行動したかを綴った声は少ない。孤独だった。何をどうすればいいか分からないまま、時が止まったような気がした。

私が選んだ「戦わない戦い方」

それでも、何もしないわけにはいかなかった。
このまま黙っていれば、息子の出来事は“なかったこと”になってしまう。
しかし、敵意をむき出しにして学校へ突き進めば、最も苦しい思いをするのは息子自身である。私は迷いながらも、そこで一つの決意をした。

「学校と戦わない戦い方を探そう」 と。

感情のまま怒りをぶつけるのではなく、事実を整理し、冷静に伝える。
記録を残し、証拠を集め、必要な相談先を探すことから始めた。
この方法が正しいのか確信はなかったが、少なくとも息子を守るための第一歩だと信じて進んだ。

このブログを始めた理由

このブログは、同じように 「どう動けばよいか分からず悩んでいる親」の力になりたいという思いから始めた。
また、もしこの記録が先生たちの目にも届くなら、保護者が抱える不安や孤独を少しでも理解してもらえたらと願っている。

体罰を「なかったこと」にしないために。
しかし、必要以上に対立を深めず、子どもを守るために。

私は試行錯誤しながら学んだ「戦わない戦い方」を、ここに記録していくつもりである。


同じように悩む保護者が、少しでも動き出す勇気を持てることを願っている。

ABOUT ME
みかん
子育て中の母親。みかんが好き。子どもが学校で受けた体罰をきっかけに、ひとりの親として経験したことを記録しています。「学校と戦わない姿勢」を心がけていますが、気持ちは常に戦っています。日々は穏やかなのが一番。