体罰は許されない

息子に、まず伝えたことがある。

「今まで言えなかったかもしれないけど、ママは知ることができてよかったと思ってる」

理由はひとつ。
一人で悩んでほしくないから。

先生が先生を続けられなくなるかもしれない。
自分が我慢すればいい。

そんなやさしさで黙っていたのかもしれない。
やさしく育ってくれたことを、私は誇りに思っている。
その気持ちを知れたことも、うれしかった。

でも、伝えておきたいことがあった。

我が家の約束を思い出してみよう

「パパとママがいつも言っていること、覚えてる?」

・人を叩かない
・人には優しく
・ありがとうとごめんなさいを伝える
・言葉を使って伝える
・お友達を大切にする

いろいろ出てきた。

「そうだよね。じゃあ質問。理由があれば叩いていいのかな?」

「だめ」

「なんで?」

「叩かなくても伝えられるし、暴力はダメ。それに痛いし怖いし、やっちゃだめ」

「うん、そうだよね。じゃあ、なんで君は叩かれたのかな?」

「……ぼくが先生の言うとおりにできなかったから」

その言葉に、胸がざわついた。

「自分が悪いから叩かれた」という思考

息子は、
叩かれた理由を自分のせいにしていた。

「理由があったら叩いていいのかな?」

「……だめだよね」

どんな理由があっても、暴力はいけない。
体罰は許されない。

そのことを、改めてはっきり伝えた。

そして言った。

「君が受けた“叩く”という行為は、決して認められることじゃない」

別の角度から聞いてみた

なかなか「自分は悪くない」というところまで届かない。
だから少し視点を変えた。

「君じゃなくて、お友達が同じことをされていたらどう思う?」

「だめだね。先生が悪い。叩いたらだめって普通に思う」

「その時どうする?」

「何も言えないかも。でも、授業終わったら友達に声掛けたりとか。聞けるかも。
でも先生が言わないでって言ったし、言わないかも」

「じゃあ、ずっと黙っているしかないのかな?」

ここで、少し表情が変わった。
自分のこととして整理し始めているようだった。

最後に出てきた言葉

最終的に、息子は言った。

「話してよかった」

そして、こうも言った。

「友達には同じ思いをしてほしくない。
ちゃんと先生には叩いたことを謝ってもらいたいし、
ほかの子のことは叩かないでほしい」

その言葉を聞いたとき、
自分が叩かれたことを正当化させないことは、この時に伝わった気がした。

もうひとつ伝えたこと

最後にお願いした。

「これからもし学校で、また叩かれることがあったら、
それが自分でも、お友達でも、必ず教えてほしい」

暴力だけじゃない。
怖かったこと、困ったこと、嫌だったこと。
“普通じゃない”と感じたことは、伝えてほしい。

自分が悪いことをしてしまったときも、正直に話してほしいとも付け加えた。


4か月、心の中に隠していたものを言葉にした息子。
このあとどんな感情がやってくるのか、正直わからなかった。

でも、向き合おうとする姿に、私も前を向こうと思えた。

子どもの素直さに、私の心のざわつきが少し救われていた。

ABOUT ME
みかん
子育て中の母親。みかんが好き。子どもが学校で受けた体罰をきっかけに、ひとりの親として経験したことを記録しています。「学校と戦わない姿勢」を心がけていますが、気持ちは常に戦っています。日々は穏やかなのが一番。