体罰発覚から4日目(2)― 自宅訪問での説明 ―
自宅訪問
結局、こちらから学校へ連絡をしたことで、
その日のうちに自宅へ訪問するという流れになった。
急な提案だったため、夫にも仕事を早く切り上げてもらい、夜、自宅での話し合いとなった。教頭・担任・体罰の疑いのある教員が同席した。
冒頭で、「言った言わないを避けるため録音させていただきます」と伝えた。
※連絡がないことの確認の電話の際に、言った言わないとなるのが嫌なので事実確認は書面で学校の印をついたものをいただいたうえで説明していただきたいたいと伝えた。伝えた直後に訪問の提案を受け、訪問の提案を受ける流れとなっている。
学校側の説明
学校側からの説明は、主に以下の内容だった。
・授業中、息子が自分の絵にバツを書いた
・それを止めるために、教員が顔に触れた
・励ます意図があった
そして当該教員からも、
「顔に触れたこと」「強くなってしまった可能性」については認める発言があった。
詳細
息子からの聞き取りもこの日の三時間目放課後に担任によって行われたそうだ。
体罰当日の現場には担任はいなかった、そのためどんな様子だったかを息子から聞いたそうだ。私が発覚時に問い合わせた内容のとおりであったとのことだった。
・自分の下書き納得できなくて、まあバツを書いた。
・その時に担当教員が、止めるために顔をこうやったっていう風です。 ※こうやったというのは平手打ちのしぐさだった
・息子は痛かったと言っていた。
・どんな叩かれ方をしたのかも実演してくれた。
体罰があったときにどう感じたかも聞いたとのこと。
「叩かれたきっかけは自分がバツつけちゃったことだった。 だけど、(お母さんや他のお家の方から普段から手を出すのはいけないことだよという話を聞いてることもあって)手を出すことはいけないことだ」と教えてくれたと担任が言った。
この聞き取りの際に担任から息子に伝えたこと
担任は下書きの絵もどんな状態か見ていた。
叩いた先生は、頑張って描いた絵を大事にしてほしいという想いがあって止めたかった気持ちがあったのだと思う。と伝えたとのことだった。
息子はそのことに対して、「わかるところもある」と返事をしたとのこと。
担任は体罰当日の周りの子が息子に対してどんな反応だったのかが気になっていたといった。嫌なことはされていないかとか言われていないかと。息子の返事は
「そういうことはなくて、逆にクラスの友達が自分を心配して声かけてくれたんだよね」
だったと。
どう見てもビンタでしかない
担任の聞き取りで見えてきたことについて説明をしている際、身振り手振りも加えてもらった。むすこがどんな風にジェスチャーで教えたのかも再現してもらった。両手で頬を覆ったことも、平手打ちをしたことも聞き取りで見えてきていた。
この時の再現は、私にはビンタにしか見えなかった。発覚時に息子から聞いていたのと同じであった。
体罰の疑いのある教員からの発言
体罰疑いのある教員は息子に確認をはじめた。
息子に問いかけるように、教員は話し続けた。
「〇〇さんの顔をカプッってこうやって持ったの覚えてる?」
「それで、そこからの先生の説教が長かったの覚えてる?」
「まず先生ね、あそこであんなみんなの前で言っちゃいかんかったと思う。」
「確かに先生パチンとほっぺやって、ファイトってやったんだけどさ。」
この内容については、音声データをそのまま出したい気持ちが今もある。なぜかというと、高圧的で子どもとの話を都合のいいように、教員解釈で話をしていると受け取れるからだ。実際、教員が話し終えた後、息子が「そのことじゃない」「違う」といっているのに会話をかぶせる言動もあった。
耳を疑うような内容のやり取りだが、要約すると、
教員は、自身の行動について反省しているとした上で、授業中、児童の顔に手をかけて自分の方を向かせ、皆の前で指導を行ったこと、その中で励ます意図で頬に触れるような行為(パチンと叩く動作)をしたと認めている。
しかし、行為の意図はあくまで「励まし」であったとしつつ、その対応が適切だったという発言もあった。というところだろう。
息子の主張
両頬を覆ってパチンとしたことは事実だ。これは教員も認めている。しかし、それ以外にも息子は主張している。
立たされたこと。
すごく怒られたこと。
私の努力を無駄にする気かと言われたこと。
片手でビンタをされたこと。
この日のやり取りで先生が言っていることが違うと言い続けている。クラスの子達も見ていたからわかると思うと。
やったことを謝って欲しいだけなのに…そう言う息子の表情は忘れられない。
指導としての認識
教頭からは、
・子どもに触れる指導はあってはならない
・今回の対応は方法として誤りであった
という説明もあった。つまり、「指導として不適切であった」という認識は示された形だった。
発覚が遅れた理由について
一方で、発覚が遅れた経緯については、
・本人が話さなかった
・担任が聞き取りをしたが、その時点では把握できなかった
・クラス内で話題にはなっていたが、結果として保護者への連絡には至らなかった
という説明だった。
しかし、周囲から聞いている話は少し違っていた。
担任の先生から「〇〇先生に確認をするから変な噂をするのをやめてくれ」
と言われたと。生徒数人から聞いていることを伝えた。
(担任)「自分からそうやって言いました。」
と返事が返ってきた。息子にも確認をしたい意図があったと説明した。息子に「大丈夫か?」ときいて「大丈夫」との返事だったからそのまま何も行動しなかったということだった。
その後、教員からは
「もっと早く保護者へ伝えるべきだった」
という反省の言葉もあった。ただ、この点については、クラス内で噂が広がっていた状況や、複数の児童が見ていたという話と照らし合わせると、
「本当に把握できなかったのか」
「なぜ組織として共有されなかったのか」
慎重に受け止めざるを得ない内容だった。
この日の受け止め
この日の説明で、
・教員が児童に触れた事実
・その行為が不適切であったという認識
は示された。しかし同時に、
・事実の認識には差があること
・発覚までの経緯が不明確であること
も明らかになり、この時点では、まだすべてがわかったとは到底言えなかった。
